資産形成

『セミリタイア後の罠』50代で親の介護で地獄を見ないためにやること5選

TwitterなどのSNSではFIRE、セミリタイアを目指されている方が多くいます。

私もセミリタイアを目指すサラリーマンのうちの一人です。

一方40代、50代でセミリタイアを目指す人が気にされるとしたら親の介護ではないでしょうか?

今回の記事では・・・

セミリタイア目指しているけど、セミリタイアした途端、親の介護が必要になりそう・・・

今年の2月に父が要介護になったので参考になるような記事を書いてみました

この記事でわかること

セミリタイアして親の介護に直面したらどうなるか?

セミリタイアした話を身内にして良いか?

自身が介護を必要になる事を見据えた方が良いかについて

本記事はセミリタイアした後に、親の介護に直面して思い描く未来と違う・・・とならないための提案となります。

資産形成の過程は特段の記載はありませんので、ご容赦ください。

本記事を書いている人

22年2月から父が要介護で5月G.Wまで一時的に同居

現在は遠距離介護にシフト

毎月28万積立投資

30代サラリーマン

数ヶ月の同居ですが、介護のシンドサについてある程度理解をした上で本記事を書いています。

セミリタイア後で親の介護で地獄を見ないためにやること5選

ダラダラと言って、結論を先延ばししても意味がありませんので、やることは次の5つです。

順を追って説明します

  1. 親・兄弟にリタイア・セミリタイアした事を言ってはいけない
  2. 親・兄弟で親の介護にどう関わっていくか役割を決める
  3. 親の預貯金・資産で介護費用で使える費用感を抑える
  4. セミリタイア後の社会との繋がりについて考える
  5. 自分が将来、要介護になる可能性も考える

セミリタイアのモデルケース

本記事でのセミリタイアのモデルとして次のケースで考えてみました。

セミリタイアのケースとしては成功しているように見えます!

*生活費は(総務省)2021年 家計調査 家計収支編より算出

セミリタイア2年目のアセットアローケーション

セミリタイヤ2年目でこんなキレイなアセットアロケーションにならないと思いますが、ご容赦下さい
生活費年数小計
370万円17年6,290万円
170万円8年1,480万円
合計25年7770万円
セミリタイア分は年額の出費の半額で計算し、8年で計算(想定よりもうまく行かない場合を考慮)

FIREという単語でネット検索、書籍を読むと『4%ルール』という言葉を目にします。

総資産の4%で1年を過ごし、それが25年で過ごせるだけの資産を築くことができれば、労働に頼らない生活ができるとのことです。

ただ、 FIREが紹介されている書籍は米国株ETFがベースになっており、日本の場合は税率が高いのでセミリタイアをモデルとしました。

不動産を入れてないのはなんで?

不動産は購入した物件によっては逆に資産を食い潰すリスクがある

Twitterでは不動産で収益を出している人をよく見かけるけど、それ以上に取り返しのつかないことになっている人が無数にいる

ということで今回は不動産は除外してます

本記事で完全なリタイア(FIRE)でなく、セミリタイアをモデルケースにしたのは次の理由からです。

50代セミリタイアをモデルケースにした理由

完全なリタイアでないので再現性が高い

スキルがあれば、50代でも働ける

社会との繋がりがあった方が老けこまない

最後の老け込むは、父を見てきての私の思いから書いています。

後述で書いていきますが、お金があったとしても社会との繋がることを実感ができないと急激に老け込みます。

親兄弟にセミリタイアした事を言う必要はない、いや言うな!

親兄弟にセミリタイアをしたことを話した+親の介護が見えてきた=親の同居が見えてきます。。

状況によっては株価の暴落ぐらいのインパクトがあります。

これは順を追って説明します。

TwitterなどのSNS、ブログではセミリタイアした、FIREしたなどを発信されている方をお見かけします。

twitterでたまに見かけるやつ

その情報は参考になることもありますが、親兄弟やリアルな知り合いに言う必要はありません。というか言ってはダメです。

親兄弟にセミリタイア・リタイアした事を言った場合に想定されること

想定されるやりとりを書いてみました。

週3日働けば生活できるだけの金額ができた

体の調子が悪くなってきたし、もしかしたら介護のお願いするかも

セミリタイアするなら、悪いけど、親の介護に入ってもらえるかな?

(私たちもあと1年ぐらいでセミリタイアできるぐらいの金額だけど、セミリタイアしても黙っておこう)

という事になる可能性は十分にあり得ます。

介護の役割が固定化してしまうと、介護に関わってない兄弟からは「今更・・・」と避けれます。

なので、SNSやブログでセミリタイアを目指す事を発信して、認知度を上げることは良いですが、親兄弟に知られてはいけません。

同居した場合に想定されること

仮にセミリタイア2年目で親と同居が必要になった場合を考えます。

参考として私が一時的に同居をしていた時にやっていたことの一部を紹介します。

介護で補助したこと(一部)
  • トイレで用を足す場合の補助(夜中含む)
  • ベッドで仰向けになる場合の補助

同居してすぐに母が介護中に足の骨折をしました。。なので気が休まらない日が続きました・・・

セミリタイアやFIREの目的は仕事からの解放と自己実現をするための手段と私は理解しています。

お金の件は抜きにしても気は休まりません。。

お金について

月額の費用年間の費用10年間
自宅介護5万円60万円600万円
特別養護老人ホーム6万円〜13万円72万円〜156万円720万〜1,560万円

ケアマネジャーさんが担当として付く場合はお金についての会話をします。

原則として介護される本人の資産で介護費用を負担する形になります。

ただ、親に貯金がない場合で・・・

ケアマネジャー

同居されているのであれば、費用を持つ事は家族内で相談出来ませんか?

・・・・・

と言われないと断言は出来ません。

仮に自宅介護で費用の1/3を負担した場合、4%ルールで見た場合はどうなるか検証をしました。

元々、想定していたセミリタイアでのケース

生活費手取り年収配当金(手取り)補填費用分
3,700,0002,121,0001,143,680435,320

このケースなら生活費の1割弱を補填すれば良いので余裕はありますね!

同居して介護費用を一部負担したケース

生活費自宅介護(1/3負担)手取り年収配当金(手取り)補填費用分
3,700,000200,0002,121,0001,143,680635,320

補填の割合が増えているのとこれが何年、続くか読めない怖さがあります

私はショートステイなどを活用しましたが、数ヶ月で疲弊しました。疲弊をしながらの資金管理はかなり大変です。

  • お金の負担まで調整すると介護の役割が固定化し、兄弟での負担に差が出る
  • 世帯分離により、親を『非課税世帯』にという手もあるが、その手段を取っている時点で選択を強制されていると言える

セミリタイアしたことをリアルの知り合いに知られても良い結果にならない

親の介護とは違う話になりますが、リアルな知り合いにセミリタイアしたことを知られるほど危険な話はありません。

資産情報と住所が知り合いにバレて、事件に巻き込まれる事を題材にした『NEETINGLIFE』というマンガがあります。

少し前にネットで見かけた『底辺FIRE』をした主人公の物語になります。

このマンガの本質は資産形成のノウハウよりも情報の取り扱いを間違えると自身の身を危険に晒すことが描かれてます。

この漫画を読んでわかる事

個人情報の取り扱いをミスる危険性について理解ができます。

少し前に話題になった、底辺FIREについて理解ができます。

▼情報リテラシーを学べる漫画▼

漫画だけではなく、お金を持っていることが特定されて事件も起こっています。

親・兄弟で親の介護にどう関わっていくか役割を決める

さて、親の同居についてはネガティブな意見を書いていきましたが、『介護に全く関わるな』ということを言っているわけではありません。

介護については適切な距離感を保つことを主張したいのです。実態を把握することが必要です。

モデルケースでは親の年齢を82歳に設定しています。

厚労省の資料によると80〜84歳の認知症になる割合は5人に一人になります。

引用(外部リンク):厚生労働省 社会保障審議会 介護保険部会

85歳以降になると半分近くが認知症に・・・

これとは別に総務省が発表している面白い統計データがあります。

(出典)総務省「平成29年就業構造基本調査」より
*介護離職者は、平成24年10月以降に「介護・看護のため」を理由に前職を辞めた者

このグラフは介護離職をしてから再就職した人がどれだけいるかを表したグラフです。

50代から介護離職をしている人がかなり増えていますね

ということで50代でセミリタイアをした場合、親が介護を必要となる可能性が高いです。

この記事を書くにあたり、FIREのブログやYoutubeの運営をされている方の発信内容を見てみました。

図のような内容を発信されている方がいます。。

子供に頼るのではなく、親が自分でなんとかすべきと発信されている方がいました。

これに対して疑問なのは、所謂、毒親であったり虐待をしていた・・・ということであれば話は違ってきますが・・・

70歳を超えると判断能力が衰えますし、地域包括支援センターなどの公的な機関に自分で問い合わせして欲しいと言っても、衰えた自分を認めるということでハードルは高いでしょう

もっと言えば、虐待などしている親であれば別ですが・・・

親がいなければ、セミリタイアなりFIREしている自分がいないという事実を無視していませんか・・・

社会福祉に頼ること自体は間違いはないのでは?

そこに間違いはありません

ただし、判断能力が衰えた親が全てできるわけではないので、最初の繋がりと介護ができる体制を整えることは必要です

特別養護老人ホームの入所に関する厚労省の考え方となりますが、介護については基本的に家族で面倒を見ることと明記されています。

入所判定の対象となる者は、入所申込者のうち、要介護3から要介護5までの要介護者及び、居宅において日常生活を営むことが困難なことについてやむを得ない事由があることによる要介護1又は2の方の特例的な施設への入所(以下「特例入所」という。)が認められる者とすること。

(外部リンク)出典:厚生労働省 ○指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について

なのでサラリーマンとして働いている時から次の事を意識していく必要があります。

  1. 介護で不安があれば地域包括支援センターと繋がりを持っておく
  2. 親子間で介護が見えてきたら、兄弟も含めて役割を決める
  3. 親の預貯金・資産で介護でどれだけ費用を使えるか確認する

親の預貯金・資産で介護費用で使える費用感を抑える

介護に掛かる費用感であったり、親の預貯金が口座凍結されないための対策は別記事で紹介しています。

なので、ここでは触りだけ触れておきます。

参考として自宅介護と特別養護老人ホームの金額(月額)を掲載します。

これらに医療費、住民税、持家なら固定資産税などが発生します。

費用は地域や介護保険の適用によって、違いますので地域包括支援センターや担当ケアマネージャーさんと相談、確認して下さい

金額についての詳細な記事は下記の記事を参考にして下さい。

▼介護費用にかかる費用▼

介護に掛かる費用はどのくらい?要介護3で自宅介護する場合、介護費用について体験談を元に記事にしています...

▼口座凍結の対策に関する記事▼

親の銀行口座を口座凍結から守れ!!介護で使う親のお金を使おうとしても、状況によっては口座凍結される可能性があります。本記事では口座凍結から守る方法の紹介をしています。...

セミリタイア後の社会との繋がりについて

私はセミリタイアなり、FIREの目的は『自己実現』を達成するための手段の一つと解釈しています。

ここからは人によっては不快な話になります

仕事や家族を生き甲斐にする生き方は否定はしません。。。

仕事はいつかやめ時が・・・子供であれば親離れであったり不仲になったり・・・

二つともコントロールが出来ない事があります。

私の父の場合・・・

私の恥を晒しますが、父が退職してしばらく経ってからこう言いました。

筆者

俺は多分、結婚して人を幸せに出来るタイプではない。なので親父とお袋は自分のためにお金を使って欲しい。

こう言った形のことを言いました。

それもあったかはわかりませんが、父は仕事を退職してから急速に老け込みました。

私にとってはセミリタイア、 FIREをする意味は仕事からの解放もありますが、こう思っています。

セミリタイア、FIRE目指す上で考えたいこと

  • 自己実現で社会と繋がれるか?
  • 自分がやりたいことは社会に必要とされ、誰かに感謝されるか?
  • サラリーマンの時でもできることか?
  • サラリーマンでも出来るが、セミリタイア後、FIRE後は自己実現により時間を割いていくのか?
  • 仕事が嫌なのは人間関係か、仕事の内容か、転職すれば解決するか

理想を言えば、自分の自己実現が収入になれば老け込むことも防げるでしょう

自分達が将来、要介護になる可能性もある

人生100年時代というように人の寿命は伸びています。

と同時に同じグラフになりますが、80歳を超えると認知症になる確率が高くなります。

自分達も介護が必要になる可能性は考慮をすべきです。

生活費について

期間独身夫婦のみ
1ヶ月157,411310,354
6ヶ月944,4661,862,124
1年1,888,9323,724,248
出典:(総務省)2021年 家計調査 家計収支編より筆者作成

50代であればまだ仕事自体はできますので、週三日で働いて収入になれば、支えになります。

副業での収入を作るのは若い時から育てることが必要です

セミリタイアのモデルは前段で書いていますが、これに仮に夫が介護が必要になった場合を計算します。

子供は親がセミリタイアしていると知っているので、自分達でお金を捻出する必要があります。

夫婦のどちらかが要介護になった場合の費用感

自宅介護のケース特別養護老人ホームへの
入所のケース
1年の生活費3,724,2483,724,248
介護費用(年額)600,000720,000〜1,560,000
合計4,323,2484,420,000〜5,260,000

こちらについては介護用品のレンタル、医療費などは含まれていませんのでご注意ください

私だけの意見だと偏りがありますので、投資系Youtubeを運営されているかぶまるさんの動画も紹介しておきます

まとめ

  1. 親兄弟にもセミリタイアをしたことを言っては墓穴を掘る
  2. セミリタイア・リタイア後に社会とどう繋がるかは視野に入れる
  3. 社会との繋がり・生きがいがないと老ける
  4. 自分達も要介護になる可能性がある

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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実際に介護が必要となった親と同居した数ヶ月について記事にしてます。FIRE、セミリタイを目指す方は親の介護も視野に入れて欲しいです。

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【家族を介護しながら50歳でサイドFIREを目指す】30代ごく普通のサラリーマンです。 仕事、インデックス投資、家族の介護を並列で出来るかを発信しています。よければ、Twitterで絡んでくれると嬉しいです。